この記事の要約(Key Takeaways)
- 例文:I am embarrassed.(きまりが悪い)と I am ashamed.(恥じ入っている)では、重さがまったく違います。
- 違い:embarrassed は人前でのきまり悪さ、ashamed は道徳的な罪悪感。混同すると深刻さがずれます。
- 別表現:shy(内気)、awkward(気まずい)、humiliated(辱められた)も場面で使い分けます。
転んで人に見られた。うっかり嘘をついてしまった。日本語ではどちらも「恥ずかしい」で済みます。ところが英語では、この2つはまったく別の単語になります。取り違えると、必要以上に重い話になってしまいます。
embarrassed の基本的な意味
embarrassed は「きまりが悪い・照れくさい」。人前で失敗したり、注目を浴びたりしたときの感情です。他人の目があることが前提になります。
顔が赤くなる、その場から消えたくなる——そういう身体的な反応を伴う感覚です。深刻ではなく、あとで笑い話になる程度のことに使います。
ashamed はもっと重い
ashamed は「恥じている・情けない」。自分の行いが道徳的に間違っていたと感じるときの言葉です。他人の目がなくても成立します。
だから、人前で転んで I am ashamed. と言うと大げさです。罪悪感を告白しているように響いてしまいます。見られて恥ずかしいなら embarrassed、行いを恥じるなら ashamed。この線引きが最重要です。
会話例5選

①人前での失敗
I tripped in front of everyone. So embarrassing.
みんなの前で転んじゃった。恥ずかしすぎる。
②自分の行いを恥じて
I am ashamed of how I treated her.
彼女への態度を、心から恥じているよ。
③ほめられて照れる
Stop it, you are embarrassing me.
やめてよ、照れるじゃない。
④気まずさとして
There was an awkward silence after that.
そのあと、気まずい沈黙が流れた。
⑤内気な性格として
She is too shy to speak up in meetings.
彼女は内気で、会議で発言できないんだ。
通訳者が教えるニュアンスの深掘り
「恥ずかしい」を訳し分けるときは、何が原因で、どれくらい重いのかを見ます。通訳の現場でも判断が求められる領域です。
| 表現 | 原因 | 重さ |
|---|---|---|
| embarrassed | 人前での失敗・注目 | 軽い。一時的 |
| ashamed | 自分の行い・道徳 | 重い。罪悪感を伴う |
| shy | もともとの性格 | 感情ではなく気質 |
| awkward | 場の空気 | 軽い。状況を表す |
| humiliated | 他人に辱められた | 最も重い。屈辱 |
もうひとつ、間違えやすいのがshy です。これは感情ではなく性格を表す語。「今日は恥ずかしかった」を I was shy today. と言うと不自然になります。その場の感情なら embarrassed を選びます。
次に読みたいフレーズ
「恥ずかしい」をスラングで表す言い方も、若い世代を中心に定着しています。見ているこちらが恥ずかしくなる、という感覚を一語で表せます。
使い方のポイント・注意点
- 原因はembarrassed about / ashamed of と前置詞が変わります。
- 状況を表すならembarrassing(形容詞)。人が主語なら embarrassed です。
- shy は性格。その場の感情には使いません。
- ashamed は道徳的な重さを持つため、軽い失敗には使わないほうが自然です。
- humiliated は他者から辱められた場合。自分の失敗には使いません。
まとめ:「恥ずかしい」の使い分け
embarrassed は人目、ashamed は良心。日本語の「恥ずかしい」がひとことでまとめてしまうところを、英語は原因で切り分けています。感情を正確に伝えられると、相手の受け止め方も変わります。まずはこの2語の距離をつかむところから。
次のステップ:表現を「使える」英語にするには
この使い分けも、「ルールを知る」と「会話でとっさに使える」とのあいだには、実は大きな差があります。
なぜ「知っているのに口から出てこない」のか——10年間プロ通訳をしてきた経験から、その理由を5つの特徴にまとめました。

