目次
この記事の要約(Key Takeaways)
- 会話例:「It’s a quid pro quo.」=「これは見返りのある取引だよ」
- 意味の違い:ラテン語でsomething for something。何かの見返りに何かを差し出す交換条件・代償。ビジネスや政治で頻出
- 別表現:対等なやり取りならgive and take、報復的ならtit for tat
ニュースやビジネスの場で耳にする「quid pro quo」。ラテン語由来のこの表現は、英語の中でそのまま使われます。「見返り」「交換条件」を一語で表せる便利な言葉を、通訳として10年使ってきた立場から丁寧に解説します。
「quid pro quo」の基本的な意味
quid pro quo はラテン語で「something for something(何かに対する何か)」。つまり一方が何かを与える代わりに、もう一方も何かを返すという交換条件・見返りを指します。日本語の「代償」「バーター」「持ちつ持たれつ」に近い言葉です。
中立的にも使えますが、文脈によっては打算的・不適切な取引という含みが出ます。特に政治や契約の話では「見返りありき」というニュアンスで使われることがあります。
どんな場面で使うのか
ビジネスの取引条件、政治的な便宜のやり取り、職場での協力の見返りなど、「何かの代わりに何かを」という関係を表すときに使います。ややかたい語なので、日常のくだけた会話よりニュースや交渉の場に多く登場します。
会話例5選

① ビジネス(取引条件)
A: Why would they help us for free?
B: They won’t. It’s a quid pro quo.
(A: なんで無償で協力を? B: しないよ、見返りありきの取引さ)
② 職場(協力の見返り)
A: I’ll cover your shift if you cover mine.
B: Deal—a fair quid pro quo.
(A: 君のシフト代わるから僕のもね B: いいね、対等な交換条件だ)
③ 政治(便宜のやり取り)
A: The deal looked like a quid pro quo.
B: That’s why it raised concerns.
(A: あの取引は見返りありきに見えた B: だから問題視されたんだ)
④ 日常(貸し借り)
A: I helped you move, so…
B: I know, quid pro quo—I’ll help you next time.
(A: 引っ越し手伝ったんだから… B: わかってる、お互い様だ、次は手伝うよ)
⑤ 交渉(条件交換)
A: What do we get in return?
B: Let’s set up a clear quid pro quo.
(A: こちらの見返りは? B: はっきりした交換条件を決めよう)
通訳者が教えるニュアンスの深掘り
「見返り・やり取り」を表す語は、対等さや含みが違います。下の表で整理します。
| 表現 | ニュアンス | 使いどころ |
|---|---|---|
| quid pro quo | 交換条件・見返り(打算的な含みも) | ビジネス・政治・契約 |
| give and take | 対等な歩み寄り | 人間関係・交渉全般 |
| tit for tat | やられたらやり返す(報復) | 対立・仕返し |
| this for that | くだけた交換の言い方 | 日常会話 |
quid pro quo は「条件つきの見返り」に焦点があり、give and take のような温かい相互性とは少し色が違います。文脈で打算的な響きが出る点に注意しましょう。
次に読みたいフレーズ
見返りや恩のやり取りつながりで覚えたいのが「call in a favor(恩を返してもらう)」。貸した恩を回収する場面で、あわせて使える表現です。
使い方のポイント・注意点
- ラテン語のまま英語で使う(イタリック表記も多い)
- 中立にも使えるが、打算的・不適切な取引の含みが出ることがある
- ビジネス・政治・契約などややかたい文脈で多い
- a quid pro quo と冠詞を付けて名詞で使える
- 温かい相互性は give and take の方が適する
まとめ:「quid pro quo」の意味
「quid pro quo」は、ラテン語由来で何かの見返りに何かを差し出す交換条件・代償を表す語。give and take や tit for tat との色の違いを押さえれば、ビジネスやニュースの文脈でこの一語をスマートに使いこなせます。
次のステップ:表現を「使える」英語にするには
この表現も、「意味を知る」と「会話でとっさに使える」とのあいだには、実は大きな差があります。
なぜ「知っているのに口から出てこない」のか——10年間プロ通訳をしてきた経験から、その理由を5つの特徴にまとめました。

