この記事の要約(Key Takeaways)
- 会話例:He always cancels at the last minute.(彼はいつもギリギリでキャンセルする)のように、時間的な直前を表します。
- 違い:at the last minute が直前のタイミングを指すのに対し、just barely はかろうじて達成したという結果を表します。
- 別表現:cut it close(時間が危うい)、in the nick of time(間一髪で)が場面で使い分けられます。
日本語の「ギリギリ」は、実に働き者の言葉です。時間も、量も、合否も、これ一語で足ります。ところが英語では、何がギリギリなのかによって表現が変わります。ここを知らずに一つの表現で押し通すと、伝わり方がぼやけてしまいます。
「ギリギリ」を表す基本の表現
もっとも使うのがat the last minute。「直前になって」というタイミングを表します。キャンセル、変更、準備。予定に関する話題ならこれが基本形です。
結果について言うならjust barely。「かろうじて」という意味で、試験の合格や電車への駆け込みなど、達成できたかどうかに焦点があります。
危うさを強調したいとき
cut it close は「時間の余裕がなくて危ない」。まだ結果が出ていない、これから危うい、という段階で使います。相手の行動に対する忠告としても機能します。
一方in the nick of time は「間一髪で」。すでに危機を脱したあとの表現で、安堵がにじみます。これから危ういのか、もう助かったのか——時制の感覚で選び分けます。
会話例5選

①予定の変更について
He always cancels at the last minute.
彼、いつもギリギリでキャンセルするんだよね。
②結果について
I just barely passed the exam.
試験、ギリギリで受かったよ。
③忠告として
You are cutting it close. The train leaves in five minutes.
ギリギリだよ。電車あと5分で出ちゃう。
④危機を脱して
We got there in the nick of time.
間一髪で着いたよ。
⑤締め切りについて
I finished the report with two minutes to spare.
報告書、残り2分で書き上げたよ。
通訳者が教えるニュアンスの深掘り
「ギリギリ」の訳し分けは、タイミングの話か、結果の話かを見極めるところから始まります。
| 表現 | 焦点 | 使いどころ |
|---|---|---|
| at the last minute | タイミング | 直前の変更・キャンセル |
| just barely | 結果 | かろうじて達成できた |
| cut it close | これからの危うさ | 忠告・進行中の場面 |
| in the nick of time | 間一髪の到達 | 危機を脱したあと |
| with time to spare | 余裕の量 | 反対の意味。余裕をもって |
ひとつ注意点があります。at the last minute には否定的な響きが伴いがちです。直前の変更は相手に迷惑をかけるからです。自分の行動について使うときは、謝罪とセットにするのが自然です。
次に読みたいフレーズ
ギリギリで間に合わなかったときは、その旨を伝える表現が必要になります。予定を断るときの定番も押さえておくと、この話題がひと続きになります。
使い方のポイント・注意点
- at the last minute は副詞句。名詞の前に置くなら last-minute とハイフンでつなぎます。
- cut it close は進行形で使うことが多く、忠告の響きを持ちます。
- in the nick of time は結果が出たあと専用。これからの話には使いません。
- just barely は合否や達成に使い、時間だけの話には向きません。
- 直前の変更を伝えるときは、謝罪の言葉を添えるのが礼儀です。
まとめ:「ギリギリ」の英語表現
日本語の「ギリギリ」は、英語ではタイミング・結果・危うさに分かれます。直前なら at the last minute、かろうじてなら just barely、危ないなら cut it close、間一髪なら in the nick of time。場面で選べるようになると、状況の描写が一気に的確になります。
次のステップ:表現を「使える」英語にするには
この使い分けも、「ルールを知る」と「会話でとっさに使える」とのあいだには、実は大きな差があります。
なぜ「知っているのに口から出てこない」のか——10年間プロ通訳をしてきた経験から、その理由を5つの特徴にまとめました。

