このブログの記事は以下の枠組みでいろいろな英語フレーズをご紹介しています。
◆意味:解説を丁寧に加えていきます
◆例文:会話・文章での使い方をご紹介します
◆ニュアンス:フォーマル/カジュアル・口語/書き言葉などの違いも紹介します
◆起源:フレーズの語源や歴史的背景が分かる場合には追加いたします
◆使用地域:アメリカ英語/イギリス英語/その他の国や地域の使用頻度などもご説明します
◆関連表現:同じ意味の別の言い方や類義語も参考にしてください
記事の信憑性
目次
本日のフレーズ
本日は「to add insult to injury」についてご説明します。
意味
to add insult to injuryは直訳すると「けがに侮辱を加える」です。
実際の意味は:
悪い状況をさらに悪化させる
泣きっ面に蜂/踏んだり蹴ったり
つまり、すでに良くないことが起きているのに、さらに不快なことが重なる状況を指します。
例文
日常会話
First, I missed the bus. Then, to add insult to injury, it started raining.
「まずバスに乗り遅れて、さらに追い打ちをかけるように雨まで降ってきた。」
ビジネス・フォーマル寄り
The company lost a major client, and to add insult to injury, they had to lay off staff.
「その会社は大口顧客を失い、さらに追い打ちをかけるように人員整理もしなければならなかった。」
ユーモラスな文脈
He forgot my birthday, and to add insult to injury, he asked me to remind him next year.
「彼は私の誕生日を忘れた上に、さらに追い打ちをかけるように来年は教えてくれって言ってきた。」
ニュアンス
少し大げさ・皮肉っぽい表現。
深刻な場面でも使えるが、日常会話では「踏んだり蹴ったりだよ」のニュアンスで軽く使うことも多い。
起源
この表現はラテン語の寓話に由来します。
古代ローマの詩人フェードルス(Phaedrus)の寓話に「傷ついた男にさらに侮辱を加える」という表現があり、
それが英語に取り入れられて16世紀頃から広まったとされています。
つまり、かなり古典的な比喩表現です。
使用地域
アメリカ英語・イギリス英語ともに一般的。
新聞や記事でも見かけるため、口語・書き言葉どちらでも使えます。
アメリカでも十分通じる表現なので安心して使えます。
関連表現
rub salt in the wound(傷口に塩を塗る → 状況をさらに悪化させる)
kick someone when they’re down(落ち込んでいる人をさらに追い詰める)
日本語の「泣きっ面に蜂」「踏んだり蹴ったり」に近い
日本語と英語のニュアンスの差
日本語の「踏んだり蹴ったり」
すでに悪い状況に、さらに悪いことが重なる
深刻さからちょっとした不運まで幅広く使える
軽い愚痴でも使える感じ(例:財布を忘れた上に雨まで降ってきた、など)
英語の“to add insult to injury”
「悪い状況にさらに追い打ちをかける」
少し大げさ・劇的な響きがある
皮肉っぽく強調したいときに使うことが多い
日常の軽い愚痴には使えるけれど、やや「表現が強め」
使い分けのイメージ
財布をなくした上に、雨まで降った(軽い愚痴)
英語では “It was just bad luck after bad luck.” / “Things went from bad to worse.” の方が自然。
会社が顧客を失い、さらにリストラまでした(深刻)
“to add insult to injury” がぴったり。
まとめ
カジュアルな「踏んだり蹴ったり」 → bad luck after bad luck / things went from bad to worse
強調・皮肉を込めた「踏んだり蹴ったり」 → to add insult to injury
最後に
「踏んだり蹴ったり」の表現の強弱別をご紹介します!
レベル1:軽い愚痴・日常の不運
◆bad luck
単純に「ツイてない」。最も軽い言い方。
It was just bad luck that I missed the train.
◆one thing after another
「次から次へと悪いことが起こる」。
It’s been one thing after another today.
レベル2:少し大げさ・状況が悪化
◆things went from bad to worse
「悪いことがさらに悪化した」。やや深刻め。
I lost my wallet, and then my phone died. Things went from bad to worse.
◆just my luck!
「なんて運が悪いんだ」。皮肉っぽい一言。
Of course it started raining when I left my umbrella at home. Just my luck!
レベル3:強調・皮肉・文学的
◆to add insult to injury
「追い打ちをかけるように」「泣きっ面に蜂」。
悪い状況にさらに不快な出来事が重なるイメージ。
The company lost a client, and to add insult to injury, they had to lay off staff.
◆kick someone when they’re down
「弱っている人をさらに叩く」。
他人に対して言うときに多い。
Criticizing him now is like kicking someone when he’s down.
◆rub salt in the wound
「傷口に塩を塗る」。より痛みを増すイメージ。
Forgetting my birthday was bad enough, but forgetting our anniversary rubbed salt in the wound.
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脳には言語学習に必要な2重螺旋が存在する:
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三単現のsが、明らかに言葉で説明できる宣言的知識。つまり、覚えて口で説明する出来ると言うことですね
②手続き的知識:言葉では説明できないが確かに脳内にあるもの(暗黙知・潜在知)
連続的なアウトプットが相当なスピードで要求される状況では宣言的知識では間に合わないことがこの知識で可能となります。パッと口をついて出る、すっと頭に入ってきて理解できるとう言うことです!
もう少し知りたい方は以下の記事をご参照ください:
関連記事英語スピーキングについて知っておくと無駄な努力をしなくて済むと言う件
まとめ
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本日は以上です。