この記事の要約(Key Takeaways)
- 例文:I understand the rule.(そのルールが分かる)と That makes sense.(それは筋が通っている)では、「わかる」の中身が違います。
- 違い:understand は知識として把握、make sense は論理的に筋が通っている、tell は見分ける・判別できるという別々の「わかる」です。
- 別表現:get it(カジュアルに理解する)、figure out(考えて分かる)も似た場面で使われます。
日本語の「わかる」は、驚くほど守備範囲が広い言葉です。知識として理解する、論理が通っていると感じる、見分けがつく。英語ではこれをunderstand、make sense、tell という3つの動詞に分けています。ひとつの日本語に頼っていると、この違いに気づきにくいものです。
understand の基本的な意味
understand は「(知識・説明として)理解する」。文法、指示、相手の言い分。頭で内容を把握したという意味での「わかる」です。もっとも基本的で、応用範囲の広い語です。
I understand you.(あなたの言うことは分かります)は、必ずしも賛成を意味しません。内容を把握したという事実だけを述べています。
make sense と tell
make sense は「筋が通っている・納得がいく」。That makes sense.(それは納得だ)は、論理的に矛盾がないと感じたときの「わかる」です。主語は物事や説明で、人ではありません。
tell は「見分ける・判別する」という、少し違った「わかる」です。I can’t tell the difference.(違いが分からない)のように、視覚や感覚で区別がつくかどうかを表します。
例文5パターン

①内容を把握して
I understand the instructions now.
指示の内容、今わかりました。
②筋が通っていると感じて
Now that you explain it, it makes sense.
説明してもらったら、納得できました。
③見分けがつかなくて
I can’t tell the twins apart.
あの双子、見分けがつかないんだ。
④矛盾を指摘して
That doesn’t make sense to me.
それ、私には筋が通ってないように思える。
⑤共感を示して
I understand how you feel.
あなたの気持ち、わかりますよ。
通訳者が教えるニュアンスの深掘り
「わかる」を訳し分けるときは、何がわかったのかを見極めるのが鍵です。
| 表現 | わかる対象 | 主語 |
|---|---|---|
| understand | 知識・説明・気持ち | 人 |
| make sense | 論理・筋道 | 物事・説明 |
| tell | 見分け・判別 | 人(can とセットが多い) |
| get it | 要点・冗談 | 人。カジュアル |
| figure out | 考えた末の答え | 人。試行錯誤を含む |
make sense の主語が人ではなく物事だという点は、特につまずきやすいポイントです。I make sense. とは言いません。It makes sense to me. のように、「私にとって」を to me で添えるのが正しい形です。
次に読みたいフレーズ
話の途中で理解が追いつかなくなったときの言い方も、あわせて確認しておくと会話の対応力が上がります。
使い方のポイント・注意点
- make sense の主語は物事。人を主語にはしません。
- tell はcan と一緒に使うことが多い動詞です(can tell / can’t tell)。
- understand は幅広い場面で使える基本語です。
- 「私にとって」を加えるならto me を make sense のあとに置きます。
- カジュアルな会話では get it も同じような場面で使われます。
まとめ:「わかる」3表現の違い
understand は知識として、make sense は論理として、tell は見分けとして。日本語の「わかる」がひとことでまとめているものを、英語は3つの角度に分けています。この違いを意識するだけで、伝えたい「わかる」の中身がぐっと正確になります。
次のステップ:表現を「使える」英語にするには
この使い分けも、「ルールを知る」と「会話でとっさに使える」とのあいだには、実は大きな差があります。
なぜ「知っているのに口から出てこない」のか——10年間プロ通訳をしてきた経験から、その理由を5つの特徴にまとめました。

