この記事の要約(Key Takeaways)
- 会話例:Thank you for having me.(お招きありがとうございます)のように、招かれた側が到着時や帰りぎわに使います。
- 違い:日本語の「お邪魔します」が入室の合図なのに対し、この表現は招いてくれたことへの感謝です。
- 別表現:Thanks for inviting me.(誘ってくれてありがとう)、迎える側は Thanks for coming. と返します。
人の家にお邪魔したとき、英語で何と言えばいいのか。日本語の「お邪魔します」を直訳しようとすると、途端に手が止まります。正解はThank you for having me.——「迎えてくれてありがとう」と感謝を伝えるのが、英語圏の作法です。
この表現の基本的な意味
直訳は「私を迎えてくれてありがとう」。ここでの have は「持つ」ではなく「客として迎える」という意味です。have someone over(人を家に招く)と同じ用法になります。
日本語の「お邪魔します」には「迷惑をかけます」という遠慮が入りますが、英語は感謝を前に出します。この発想の違いが、そのまま言葉の違いになっています。
どんな場面で使うのか
家に招かれたとき、パーティーに呼ばれたとき、ホームステイ先に到着したとき。到着時にも帰りぎわにも使えます。帰りぎわに言えば、日本語の「お邪魔しました」に相当します。
意外な応用先がテレビやポッドキャストの出演です。ゲストが番組の冒頭や終わりに Thank you for having me. と言うのは定番。招かれた場すべてに使えると考えてください。
会話例5選

①到着したときに
Thank you for having me. Your place is lovely.
お招きありがとうございます。素敵なお宅ですね。
②帰りぎわに
Thanks for having me. I had a great time.
お邪魔しました。とても楽しかったです。
③迎える側の返し
A: Thank you for having us.
B: Thanks for coming. Come again soon.
A:お招きありがとう。/B:来てくれてありがとう。またぜひ。
④番組出演で
Thank you for having me on the show.
番組に呼んでいただきありがとうございます。
⑤複数人で訪問して
Thank you for having us over tonight.
今夜はお招きいただきありがとうございました。
通訳者が教えるニュアンスの深掘り
訪問にまつわる挨拶は、誰が誰に何を感謝しているかで表現が変わります。立場を取り違えると、ちぐはぐな会話になります。
| 表現 | 誰が言うか | 感謝の対象 |
|---|---|---|
| Thank you for having me. | 招かれた側 | 迎えてくれたこと |
| Thanks for inviting me. | 招かれた側 | 誘ってくれたこと |
| Thanks for coming. | 迎える側 | 来てくれたこと |
| Make yourself at home. | 迎える側 | くつろぐよう促す |
| I’ll let you go. | どちらでも | そろそろお開きの合図 |
覚えておきたいのが、迎える側のMake yourself at home.(くつろいでください)。これを言われたら、遠慮しすぎずに座る、飲み物をもらう。遠慮が美徳とは限らない点は、日本人が戸惑いやすいところです。
次に読みたいフレーズ
招かれた先での食事では、おかわりを勧められる場面もあります。食卓での受け答えもあわせて覚えておくと安心です。
使い方のポイント・注意点
- 複数人で訪問したらhaving us に変えます。
- カジュアルにするならThanks for having me. で十分です。
- 到着時と帰りぎわ、どちらでも使えます。
- have は「迎える」の意味。「持つ」ではありません。
- 「お邪魔します」を直訳して I’m bothering you. とは言いません。不自然です。
まとめ:この表現の意味
Thank you for having me. は「お招きありがとうございます」。日本語が遠慮で入るところを、英語は感謝で入ります。発想が違うから直訳できない——そのことを知っておくだけで、訪問時の第一声に迷わなくなります。
次のステップ:表現を「使える」英語にするには
この表現も、「意味を知る」と「会話でとっさに使える」とのあいだには、実は大きな差があります。
なぜ「知っているのに口から出てこない」のか——10年間プロ通訳をしてきた経験から、その理由を5つの特徴にまとめました。

